タム マック フン
(ラオス風パパイヤサラダ)
ແຊບຫຼາຍ!(セープ・ラーイ/こんにちは)
マニさんのお宅にお邪魔します。
「タム マック フン」と呼ばれる青パパイヤのサラダは、ラオスの農村部で古くから親しまれてきた家庭料理です。
「タム」は“叩く・つぶす”、“マックフン”は“パパイヤ”を意味し、直訳すると「青パパイヤのたたきサラダ」。
一見シンプルな料理に見えますが、じつはラオスの歴史や暮らし、発酵文化までもが詰まった、奥深い一皿なのです。
タイの「ソムタム」に似ていますが、
もともとはタイ東北部に住むラオス民族出身のイサーン人によって普及したといわれています。
「ソムタム」は、ピーナッツや干しエビ、パームシュガーなどを加えた甘辛い味にアレンジされ、世界的にも有名です。
現地では、庭先で採れた青パパイヤを細かく千切りにし、唐辛子、にんにく、ライム、ナンパー(魚醤)、
発酵魚のペースト「パーデーク」などを加えて「クロック」(石臼)で叩きながら和えます。
つぶすように混ぜることで野菜などの繊維がほぐれ、調味料がなじみやすくなります。
※パーデークは、淡水魚を塩と米ぬかで長期発酵させた濃厚な魚ペーストで、ラオス料理によく使われる発酵調味料。
今回は、日本でも比較的手に入りやすい調味料「ナンプラー」「タマリンドペースト」などを使用して作ります。
熟していないみずみずしいパパイヤと、かんきつのさわやかな香り、
ナンプラーに似た「ナンパー」という魚醤と、「タマリンド」という酸味のある調味料で、
なんとも複雑で爽快な味が生まれます。
濃い目の味付けのタム・マックフンと、もち米「カオニャオ」を一緒に、指で一口大に丸めて食べるのがラオス流です。
タム・マックフンは、庶民の料理でありながら、仏教の供物として寺に持参されることもあるなど、
ラオスの暮らしと精神文化にも根ざしています。
ぜひラオスの暮らしを感じながら、ご賞味ください!

マニさんMani Boutard
ラオスの首都・ビエンチャンで生まれ、フランスのパリで育ち、現在日本で暮らす。ラオスとフランス料理の講師として、また絵画や写真のアーティストとしても才能を発揮し、幅広い分野で活躍されています。料理に対して常に情熱があり、趣味で料理教室を始めたところ友人たちの口コミで人気を博し、やがてニキズキッチンでの料理教室で講師を務めることになりました。
Recipe
材料(4人分)
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青パパイヤ(又は、にんじん350g)1/2個(約300g)
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にんじん(青パパイヤで作る場合)1本
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にんにく1片
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青(または赤)唐辛子(生)1~2本
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砂糖小さじ1
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塩ひとつまみ
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〈A〉
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小さじ1
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小さじ1
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カピ(えびのペースト)※小さじ 1/2
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レモン汁1/2個分
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大さじ1
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レモン(半分に切ったもの)1切れ
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※「えび醤」または「シュリンプインオイル」でもOK
作り方
- パパイヤは種を取り除いて皮をむき(正味200g)、にんじんとともにスライサーでせん切りにする。唐辛子はへたを切る。Aの材料は混ぜ合わせる。
- 大きめの臼ににんにく、唐辛子を入れ、つき棒で細かくなるまで突きながらつぶす(または厚手のポリ袋に入れ、袋の上からめん棒でたたく)。砂糖、塩を加え、混ぜ合わせる。
- パパイヤ、にんじんを加えてつき棒で突くようにして混ぜ、Aを加えてよく混ぜ合わせる。(またはポリ袋に加え、めん棒で全体たたく)。器に盛ってピーナッツをふり、レモンを添える。
使用した調味料





