「本場の麻婆豆腐が食べてみたい!」。その一心でたどり着いた、中国の四川省。
そこで出合ったのは、辛さの奥に広がっていく、深いうま味の世界でした。
ちなみに日本では、辛味が強いこの地の料理を「四川料理」と呼びますが、本場での名は「川菜」。
辛さの主役は唐辛子と思いきや、じつはピリリとしびれる山椒の方が、現地では昔から使われてきたそうです。
夢にまでみた麻婆豆腐は、まさに〝
感心したのは、合わせ発酵調味料〝
レシピでは〝麻〞の豆板醤、さらに甜面醤、豆豉醤と3つの醤を重ね、本場さながらの味わいを再現できました。
<写真で見る。現地ちょこっとエピソード>
・火鍋はとても辛いので、缶に入ったゴマ油に具材をドボンと漬け、まろやかにしてから味わいます。
・現地の「川菜博物館」を訪問。熟成された豆板醤の香りは格別。
・四川省には「パンダ保護研究センター」も。見学後のランチで食べたタケノコの青山椒あえは絶品!
『ESSE7月号』掲載
撮影/星 亘 取材・文/福山雅美 デザイン/宮島信太郎(SHIRT)
久々湊 有希子Yukiko Kuguminato
料理家。「セカイキッチン」主宰。
世界約40か国を旅し、各国の食を文化人類学的視点から考察し、レシピやイベントなどを通じて紹介する活動をしている。
2011年より、趣味のサッカー観戦にて日本の対戦国の料理をゲン担ぎに食べる「対戦国を喰らう」という活動を始めたことがきっかけで「セカイキッチン」という活動を始める。
麻婆豆腐
材料(4人分)
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豆腐(絹ごし)1丁
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豚ひき肉100g
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塩小さじ1
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花椒粉適量
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ガラスープの素(顆粒)小さじ1
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ゴマ油大さじ1
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水1カップ
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【A】
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長ネギ(みじん切り)1本
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ニンニク、ショウガ(ともにみじん切り)各1かけ
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【B】
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四川豆板醤、甜面醤各大さじ1/2
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豆豉醤、花椒各小さじ1
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【C】
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片栗粉、水大さじ2
作り方
- 豆腐は角切りにする。鍋に湯を沸かし、塩を入れてごく弱火で沸かさないように温めておく。
- 深めのフライパンにゴマ油を中火で熱する。ひき肉を入れて水分が飛ぶまでしっかりと炒めてから〈A〉を加え、香りが立つまで炒める。〈B〉を加え、肉にまんべんなく色がつくまで焦がさないようにしっかりと炒める。
- ❷に水を加え、沸いたらガラスープの素を加える。❶の豆腐を水気をきって加え、豆腐がくずれないように全体をなじませて弱火で10分煮る。
- 〈C〉をよく混ぜ合わせた水溶き片栗粉を全体に回し入れ、2~3分鍋をゆすりながら煮立たせる。器に盛り、花椒粉をふる。
使った調味料はこれ
香味野菜とひき肉に、醤と花椒をまぶしつけるように炒める。スープを加えたときに、ここからうま味が広がり、豆腐にしみ込む