チェコは酪農大国! というわけで、多くの料理にバターと生クリームをしっかり使うのが特徴です。
それでいて不思議とくどくないのは、野菜を上手に使っているから。
こちらのスヴィチュコヴァーも、じっくり炒めた根菜の甘味にコンソメがグッとおいしさを底上げして、じつに滋味深いおいしさです。
現地でちょっぴり困ったのが、料理の量。
チェコの人々の優しい笑顔を見ると残すなんて申しわけなく、ふうふう言いながら完食した思い出が。
野菜のうま味を引き立てる赤コショウの華やかなアクセントと、お肉に添えるジャムの甘さ…
幾とおりにも味を変えて楽しむひと皿を前に、温かな記憶がよみがえります。
<写真で見る。現地ちょこっとエピソード>
・ほとんどの料理についてくる〝クネドリーキ〞というフワフワのゆでパンと一緒に。
・チェコは甘いもの天国!トゥルデルニークはパンとパイの間のような食感で、シナモンやクリームをのせるなどバリエーション豊富。
・母と世界遺産の街「チェスキークルムロフ」を散策
『ESSE6月号』掲載
撮影/星 亘 取材・文/福山雅美 デザイン/宮島信太郎(SHIRT)
久々湊 有希子Yukiko Kuguminato
料理家。「セカイキッチン」主宰。
世界約40か国を旅し、各国の食を文化人類学的視点から考察し、レシピやイベントなどを通じて紹介する活動をしている。
2011年より、趣味のサッカー観戦にて日本の対戦国の料理をゲン担ぎに食べる「対戦国を喰らう」という活動を始めたことがきっかけで「セカイキッチン」という活動を始める。
スヴィチュコヴァー
材料(4人分)
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牛かたまり肉400g
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タマネギ1個
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ニンジン1本
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セロリ10cm
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サラダ油大さじ1
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バター20g
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【A】
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小さじ1
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赤胡椒(ホウル)5-10粒
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ローリエ1枚
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水2と1/2カップ
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生クリーム200㎖
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砂糖、レモン汁各大さじ1
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塩、コショウ各少し
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レモン(スライス)4枚
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好みのパン、クランベリージャム各適量
作り方
- タマネギ、ニンジン、セロリは粗みじん切りにする。
- 鍋にサラダ油を中火で熱し、牛肉の表面をまんべんなく焼きつけて取り出す。
- ❷の鍋に❶とバターを加え、中火で色づくまで炒める。〈A〉を加えて肉を戻し入れ、フタをして弱めの中火で30分ほど、肉に火がとおるまで煮込む。
- 生クリーム100㎖を泡立て、かためのホイップクリームにする。
- ❸の鍋から肉とローリエを取り出し、ハンドブレンダーでなめらかなピューレ状にする(または粗熱がとれてから、フードプロセッサーかミキサーにかける)。砂糖とレモン汁、残りの生クリーム100㎖を加えて混ぜ、塩、コショウで味をととのえる
- ❺で取り出した肉を1㎝厚さに切り分ける。
- 器に❺のピューレを敷き、❻の肉とパンを並べる。レモンのスライスと❹のホイップクリーム、ジャムを添える。
使った調味料はこれ
野菜はバターと一緒にじっくり炒めることで甘味が増す。さらにしっかり煮込んでうま味を引き出して、なめらかなピューレ状にする